028:えっ、ステージ4?余命半年?

中咽頭がん 発覚編 028:えっ、ステージ4?余命半年?

 

2017年4月21日(金)入院当日 

 

トキは来週月曜日から治療を開始するため、バタバタと前週の金曜日に入院しました。立て続けのがんによる入院ということで、流石に親族たちから「お金は出すから、個室にしてもいいよ」と言われていましたが、 

 

そもそも・・・個室が空いていませんでした。

 

しかも・・・・案内されたのは、甲状腺がんで入院していた時と同じ部屋の同じベッドでした。 

 

自分が退院して空いたベッドを再び自分で埋めることになろうとは・・・

 

トキは『いや、それはあんまりだ!』と思い、別の部屋のベッドにしてもらいました。前回は部屋の入り口側でしたが、今回は反対の窓側です。外が見える大きな窓がありますが、手術痕に紫外線が当たるとよくないので、殆ど、カーテンを閉めたまま、過ごすことになりそうです。また、手術痕を隠すために襟を立てられる服をいくつか買っていたのですが、病院では隠す必要がなく、自前のTシャツに、ジャージで事足りそうです 

 

トキは手術で頸周りがガチガチなため、うつぶせ、しかも右を下にしてしか寝ることが出来ません。病院の枕が低く硬いことは既に知っていたため、自前で柔らかい枕とクッションを用意してきました。

 

 

診察室に呼ばれて、U先生から中咽頭がんの治療計画についての説明がありました。トモも付き添いました。U先生は書類を赤のボールペンで追いながら、サバサバと説明を始めました。

 

相変わらず、病状説明書のイラストが手作り感満載で笑いを誘います。笑っている場合ではありません・・・・病名は中咽頭癌、ステージ4。


 

原発は扁桃腺の左壁、臓器温存のため手術は行わずに放射線治療と、その効果を上げるために抗がん剤治療を行う。治療前半に効果がない場合は途中、手術で中咽頭部を摘出し、さらに後半の治療を行うとのことでした。トキは思いました。

 

『えっ、ステージ4!?』

 

さらに、U先生の説明は続きます。「この治療を受けない場合に予想される結果として

 

・・・窒息状態になり、約半年で癌により命を失うことになります」

 

紙にも、そう記載されています。トキは思いました。

 

『えっ、余命半年!?』

 


 

・・・即、治療を受けるしかありません。しかし、こうも記載されています。

 

喉の中ごと大きな手術を行わずに放射線だけで根治できる確率は50-60%程度。

予後についても5年後癌が再発せずに生きていられる確率は、ステージⅢⅣは60%とあります。

平均ですからⅣともなれば実際、60%もないのでしょう。さらに副作用についての説明がありました。

 

抗がん剤治療と放射線治療の各説明書には、治療中から治療から数年後に起こること、さらに一生残ることまで、

 


 

色々と、それぞれ、その確率まで記載されています。大小様々、項目が多いことに、トキは驚きました。放射線では、開口、唾液分泌、味覚、嗅覚などの障害と、皮膚や口腔内などの炎症、脱毛、各臓器の機能低下から最悪の場合は発癌などなどなど。抗がん剤治療にも同項目が多々、記載されています。

 

吐き気や倦怠感などは全く持って軽い方です。

 

U先生は「これは、ほぼ間違いなく起こります、これは稀です」など、一項目ずつ丁寧に説明してくれました。

 

そして、常に口腔内を清潔にしておくこと、絶対に体重を落としてはいけないことを強調しました

 

がん治療は、治療そのものより、その副作用との闘いとも言われます。

 

治療が、がん細胞だけではなく、正常な細胞までも破壊してしまうからです。

 

 

トキには全く実感がなく、副作用のイメージも湧きませんでしたが、このままだと半年後に窒息状態になり、死んでしまうのです。

 

とりあえずも、何も、この治療を受け、

そして効果があることを祈るしかありません。

 

トキもトモも迷わず、同意書に署名をしました。