001:痛くも痒くもないけど。

甲状腺がん 発覚編 001:痛くも痒くもないけど。

 

 2017年2月1日(水) 近所の内科

 

左耳の下にある痛くも痒くもない、1×2センチ程の『しこり』は何なのか?

 

トキは近所の内科で「2か月前に気付きました」と伝えたところ、医師はトキに大声で言いました。

 

「なぜ、もっと早く来んとね!」

 

とりあえず、血液検査で様子をみることになりました。1週間後、血液検査の結果、特に問題なし、この時点では原因不明。ここでは限りがあるので、総合病院その1を紹介されました。

 

2017年2月13日(月) 総合病院その1

 

総合病院の耳鼻咽喉科。「耳の下が腫れる原因は星の数ほどあるからね、一番悪いのが悪性腫瘍、

 

つまり…がんですね。

 

その可能性を上から順に潰していくわけです」と、ここで初めて「がん」というワードが出てきました。

 

そして、翌週、同じ総合病院その1にて、エコー検査(超音波検査)を行いました。頸周りをぐるりと撮影し、画像を見た医師は「右に何か影があるけど、腫れているのは左だから関連性は考えにくい」と言いながらも細胞診検査を行いました。細胞診検査とは、いわゆる生検といって、注射針とか内視鏡鉗子で微量組織を採取して顕微鏡レベルで組織の状態を観察する検査です。左耳の下のしこりに、直接、結構な注射針を麻酔もなしに刺し、細胞を採取するのです。

 

これが痛い、ものすごく痛いのです。

 

しかも、「すみません、充分に採れなかったので」と2度も刺されました。

 

トキは、この時点で… 『もしかしたら、がんかもしれん』と思い始めました。

 

  

その夜、トモが仕事先からもらってきた『しろうお』が食卓に上がりました。

 

ビビりながら踊り食いをするトキを見て、トモとウタが笑いました。癒されるひととき、これが、ずっと続けばいいと、トキは思いました。


  

2017年2月27日(月) 午前 総合病院その1

  

「細胞診検査の結果はクラスでした」

  

クラスは、ステージとは違います。(1~5)に分類され、は正常、は異形成(全く正常であるとは言えない細胞、がんになる可能性のある細胞)、は初期のがん、は浸潤ありのがんです。クラスという結果について、医師は自信なさげに「採取できた細胞が少なかったので正確に検査出来たかどうか悪性の可能性を否定は出来ない。念のために、もう1度、検査した方がいい」と別の病院を紹介しましたが、トキは心の中で叫びました。

  

いやいや、待ってくれ、がんかも知れんのに!

  

また、時間を無駄にするのか?今すぐここで、もう1回やってくれよ!と思いましたが、さっくりと、この日の午後に予約が取れたので、紹介状と今までの検査結果を持って、総合病院その2に行くことにしたのです。