067:治療は終わった、がんは治ったのだ!

甲状腺がん治療&中咽頭がん経過観察 編 067:治療は終わった、がんは治ったのだ!

 

2017年8月19日(土) 治療終了から61日目 退院から40日目

 

トキは口内炎が完治したことから、自宅近くの歯科口腔外科に通い始めました。九州がんセンターの口腔外科から紹介された病院です。虫歯の治療と口腔内のケアのために、これから長く長く通うことになりそうです。

 


 

2017年9月15日(金) 治療終了から88日目 退院から67日目

 

九州大学病院放射線科。11月に行う予定の甲状腺腫瘍の放射性ヨウ素治療に向けて、トキは分泌機能検査(唾液腺シンチグラフィー)を受けました。これは唾液腺の機能を検査するものです。検査台に仰向けで横になり、テクネシウムという放射性同位元素を静脈注射して開始です。トキの目前10センチくらいの所まで大きな鉄板のような検査機が降りて来ました。閉所恐怖症の方なら、とても耐えられないでしょう。この状態で約40分間撮影するとのこと。トキは途中で唇や口腔内が渇くことを恐れましたが、その状態を見る検査なので仕方がありません。20分程経過した時、口の中にスポイドで、クエン酸(レモン汁のような液体)が入れられました。

 

トキは酸味の感覚が既に50%くらい回復していることもあり、かなり唾液が出そうな感覚だけはありましたが、圧倒的に渇いていることに変わりはありませんでした。続けて、PET/CT検査を行い、後日にわかる検査結果待ちとなりました。 

 


 

2017年9月20日(水) 治療終了から93日目 退院から72日目

 

九州大学病院放射線科。トキは5日前に行った検査の結果を聞きに来ました。B先生いわく、PET/CT検査の結果、「画像で目に見えるがんはない、血液検査の結果からも甲状腺がんの影は今のところ感じられない」とのことでした。また唾液腺の検査結果から、「治療を出来なくはないかも?」とのことでした。しかし・・・

 

『治療を行うと少なからず、唾液の分泌に影響がでる。現状、既に困難な状態ならQOLQuality Of Life生活の質)を優先して、治療をやらないという選択肢もある。だが、今回の放射性ヨウ素治療は、甲状腺がんの再発予防も兼ねるため、やらないよりは、やった方がいい。また、効果が今回の放射性ヨウ素治療の3分の1程度を期待できる薬品(保険適用外)もあるので、それを試す選択肢もある』とのことでした。

 

そもそもですが、『放射性ヨウ素治療を受けなかった場合と受けた場合を比較した研究では、30年間の再発率が38%から16%に減少したことが報告されている』とのことです。

 

38%はかなり高い数字ですが、30年間でです。トキは想像がつきませんでした。

 


 

2017年10月10日(火)治療終了から113日目 退院から92日目

 

九州がんセンターにて定期検査。この日は、エコーと血液検査のみにて特に問題なし。甲状腺腫瘍の放射性ヨウ素治療の件については、既に九州大学病院のB先生から、U先生に連絡が入っていました。そして、U先生と話し合った結果、状態として問題がないことなどから、

 

『QOLを優先して、甲状腺腫瘍の放射性ヨウ素治療は行わない。

 

B先生から提案された薬品も使用しない。ただし、再発した場合は行うことも検討する』と決めました。

 

中咽頭がんにならなければ、放射線治療を受けなければ、招かなかった結果です。がんそのものではなく、治療の副作用により、トキは予定されていた次の治療を受けることが出来なくなったのです。

 

しかし、受ける必要がない状態とも言えます。

 

トキは、『治療は終わったのだ!がんは治ったのだ!』そう思って、日々を生きていくことにしました。