041:いよいよ、唾を持っていかれる。

中咽頭がん 治療編2 041:いよいよ、唾を持っていかれる。

 

2017年5月9日(火)(抗がん剤治療1/2回目・放射線治療10/39回目)

 

やりました!昼飯にメロンパンがでました!

 

 

おいしそうな香りがします!しかし、残念ながら、ほとんど甘さは感じません。

 

さらに・・・トキは唾が、かなり持っていかれることに気が付きました。飲み物なしでは、全く持って飲み込めないのです・・・そうです、いよいよ、唾液腺障害の副作用が出始めたのです。放射線治療は計39回、まだ29回も残っています。トキは、かなり焦りました。


 

なぜなら、

 

唾液腺障害は殆ど改善することはないと言われ、一生、残る副作用だからです。

 

嚥下のリハビリのヒゲ先生からも、

 

「個人差があり、中にはペットボトルを手放せないような方もいる」とは聞いていました。

 


 

順調だった分、トキが受けたショックは大きなものでした。味覚と同じように、一気に来て、しばらく横ばいするのかもしれません。

 

トキは、用意していたマグカップに水を入れてテーブルの上に置きました。蓋つきで保温、保冷の機能がある、いいやつです。 これからは、これが常設となります。寝ても覚めても、そう一生です。トキは、こう覚悟しました。


 

「僕は、そういう体になったのだ、これからは、そういう生き方をしなければならないのだ」

 

夜になり、ウタがハンドボールの試合で活躍している様子を収めた動画をトモが送ってくれました。

  

トキは、その動画を何度も何度も繰り返し見ながら、ウタのためにも頑張らねば、強く生きなければと思いました。

 

そして、トキは病室で一人、静かに涙をこぼしました。