中咽頭がん 治療編1 033:なんて地味な闘いなんだ。
2017年4月27日(木)抗がん剤点滴から2日目(抗がん剤治療1/2回目・放射線治療4/39回目)
今日も昨日と同じ点滴のメニューです。
さて、昨晩の出来事です。トキは、しゃっくりが30分経っても止まらないので、看護師を呼びました。
看護師曰く、抗がん剤の副作用で、出たり止まったり、数日、続くとのことでした。
看護師がくれた、しゃっくり止めの薬を飲みましたが、2時間経っても止まりません。
トキは、よくある止め方をやってみました。息を止める程度では止まりません。
そこで、息を止めて、腹筋に思いっきり力を入れ60秒数えました・・・止まりました。
これが一晩中、出たり止まったり、その都度、目覚めて、息を止めて・・・
トキは思いました。『なんて地味な闘いなんだ』
因みに微熱が出ます。便秘にもなります。しかし、それらは大した問題ではありません。
地味ですが問題は、『しゃっくり』なのです。
そして、朝。相変わらず、しゃっくりが出ます。
さらに、トキの味覚に異変が・・・
『味が猛烈に薄い、ご飯のにおいが嫌だ、吐きそう』・・・
夕食はトキの好きな『おきゅうと』が出たのに、もう全く持って、箸が進みません。
そこで、トキはU先生に相談しました。するとU先生は、
「コンビニで買っても構いませんから、食べられそうなものを頑張って食べてください。
痩せたら治療がストップしちゃうんで、もし、難しい時は鼻からチューブで入れますけど・・・」
「それはちょっと・・・」
「ですよね・・・」
トキと、U先生はテンポ良く歯切れの悪い会話をしました。
四人部屋の場合、うち一人程度、鼻からチューブを入れている人がいます。
諸々の理由で、口からご飯を食べられない状態の場合、チューブを鼻から入れて食道を通し、胃に直接、栄養分を送るのです。点滴の注射針と同じで24時間、寝る時も入れっぱなしです。きっと、物凄い違和感でしょう。
トキは思いました。『チューブは腕だけで充分だ』
2017年4月28日(金)抗がん剤点滴から3日目(抗がん剤治療1/2回目・放射線治療5/39回目)
点滴終了です。様子を見て、昼には点滴用のチューブも外せます。トキは、薄まりゆく味覚、しゃっくり、食欲不振、大量のおしっこ、吐き気、吐き気を誘う薬と地味に闘っています。
さて、トキは朝食時に奥のおじさんを見て、
今更、重要なことに気付きました。『えっ!パン、パンがあるのか!』
トキは、こんな当たり前のことに、今まで気が付きませんでした。早速、トキは看護師を呼んで尋ねました。
「ご飯をパンに変えられるんですか?」
「ええ、ロールパンと食パンとメロンパンと・・・クロワッサンもあります」
トキは思いました。『何てこった、クロワッサンまであるのか!早く言ってくれよ!』
来週月曜日の朝から、パンに変更してもらえるようにお願いをしました。
もともと説明がなかったのか、あったが、トキが聞き忘れたのか。いずれにしても、この困難な治療を乗り越える為には、単に耐えるだけではなく、出来るだけ楽に効率よく行える環境を作ることも大切です。
病院や先生任せだけではなく、トキ自身が考えて行動することが、より良い結果につながる。
トキは、そんな風にカッコよく考える余裕が、まだ、ありました。
今日の夕飯は、まだ、ご飯です。においも味も変です。噛む力も飲み込む力も低下しています、食欲もありません。それでも、トキは、ご飯にお茶をかけて無理やり胃に流し込みました。
因みに、トキは下戸であり、元々、酒を飲む習慣もなかったため、この度の『禁酒』は全く問題ないのですが、タバコは1日に5~10本程度、吸っていたため、『禁煙』には、それなりの我慢が必要でした。
勿論、甲状腺がんの疑いが始まった2か月前から、『吸っている場合じゃない』と控えていますが、部位が喉ということもあり、その原因のひとつと言われるタバコを今さら吸うことは『死にたいならどうぞ』という勢いでしょう。そもそも、現在のトキは『タバコを吸いたい』と思う気分と体調では全く持ってありませんでした。