019:フランケンみたいやん!

甲状腺がん 手術編 019:フランケンみたいやん!

 

2017年4月2日(日)

 

土日も病人に休みはないのですが、病院自体は休みなので静かです。さて、手術から4日後、トキは手足や頸周りのひどいしびれを感じていました。日曜ですが、U先生は出勤していたので、カルシウムの点滴の量を増やすなど諸々の対応してくれました。さらに

 

頸に刺さっている管を抜いてくれました。ぬるっと鈍い痛みが走りました。

U先生は、「痛いけど我慢してくださいね」なんてことは言いません。

 

周りのテープもビリビリと物理的に剥がしていきます。痛いのです、はっきり言って痛いのですが、仕事が速いのです。頸周りが、スッキリしたトキは思いました。

 

『手術痕スゴイな!フランケンみたいやん!』 

 


 

午後になり、トキは見舞いに来てくれた家族と共に広いデイルームに移動しました。ここにはテレビがあり、本を読んだり、食事をしたり、患者と、見舞いに来た家族などが自由に時間を過ごすことが出来ます。そこで、家族は「管が取れて良かったね!」と、フランケンなトキの良い面だけに触れてくれましたが、フランケンなトキは、他患者の家族たちが、自分の手術痕に驚くと思い、出来るだけ、その方向には背を向けていました。

 

現在、トキは四人部屋です。

 

カーテンの壁で、よくわかりませんが、隣のおじさんは舌っ足らずな口調です。おそらく舌の切除などの手術をしたと思われます。奥の人は若い。おそらく20、いや10歳代かもしれません?いつも母親らしき女性が常に世話をしています。二人とも24時間、常に看護師が抗がん剤、吐き気止め、痛み止め、睡眠薬を補充に来ています。食事も口から摂れないので、鼻から管を入れて、胃や腸に直接、栄養剤を送っています。二人ともキツいのか、唸っているような時間が長いため、イビキをかいて寝ていると、うるさいどころか、安心するほどでした。

 

 

トキは、ここは『そういう所なんだ』と改めて実感していました。

 

『お互い頑張りましょう!』なんて、心では叫びつつも、正直なところ、自分の元気な部分さえ、この二人に引っ張られそうでした。そう、トキには、人の心配をする余裕なんてないのです。