甲状腺がん 手術編 014:LET IT BE (なるがままに)。
2017年3月28日(火) 入院当日
待合室は人で、ごった返していました。
トキは毎度、『誰が患者で、誰が付き添いなのか?』 そんな目で人々を見てしまいます。
病室は個室でした。手術の前後は諸々あるので個室なのです。トモがトキの身の回りの物を整理していました。
昼になり食事が出ました。薄味のちゃんぽんとシュウマイ3つ、これが初めての病院食でした。
手術を行うのは部長ですが、治療全体に関しては、昨日、手術の説明をされた若い先生が、トキの主治医になるとのことでした。昨日、初めて会った先生。30歳代前半の若い先生。この先生のことをトキは、まだ何も知りませんが、トキは思いました。
『この先生のメガネ、僕と同じデザインだ』。
因みに総合病院その2の若手先生も、トキと同じデザインのメガネをかけていました。きっと、そういう流れなのでしょう。
トキは、『同じメガネ』それだけで、迷わず、この先生を信じて頑張っていこうと判断しました。
この若い主治医の説明は相変わらず、サバサバ、淡々としており、白黒はっきりしている口調です。基本的に死なない状態だからでしょうか?しかし、「骨や肺への転移は見られませんが、リンパ節に転移しているだけでも、今後の再発、転移を考えれば、ハイリスクです」 と、ハッキリ言いました。
トキは、それなりに、ビビりました。
各手術、麻酔、治療、検査、入院などについての説明、その各書類に同意の署名をしなければなりません。これが大量にあるのです。トキは、これでもかと書類にサインしました。
病院側にとっては、『承諾しましたよね?』 と、これが万が一の保証になるのです。この度、万が一があっては困るのですが、当然の段取りです。
ここまで来ると、後戻りは出来ません。LET IT BE (なるがままに)です。
夜になって、トキは妹が貸してくれたDVDプレーヤーで映画「ミニオンズ」を見ました。セリフがほとんど、ミニオン語なので、日本語吹き替えで見ても、さほど変わりがないなあと、穏やかな笑いに包まれながら、
ある意味、最後の日を終えました。