サザム王の茶器

 

 道具の名前 『サザム王の茶器』

 

 マキリが、ナナダイ国を訪ねた時のことです。シフーという道具職人仲間から、こう相談を受けました。

「国王から特別な茶器を頼まれたのだが・・・」。

 何でも、ナナダイ国のサザム王は、ジバという、お茶が大好き。しかし、毒見役達は毎日、苦痛を感じていました。なぜなら、ジバ茶は、ジバという虫から作る、それは、それは、強烈に苦いお茶だったのです。そこで、毒見役達を気の毒に思ったサザム王から、毒見が出来る茶器を作ってほしいと頼まれたのでした。そこで、マキリは印薬石(いんやくせき)を使うことをシフーに助言し、その特別な加工技術も教えました。

 

印薬石は、僅かでも毒物に触れると、赤く濁った色に変わります。この石をカップの底に、さり気無くあしらうことで、毒見の役目も果たすことが出来ます。茶器のデザイン自体は、質素倹約を推進しているサザム王の意向でシンプルなものとされました。実際に作業をしたのは、シフーですが、マキリのアイデアと技術が用いられたことから、道具にはマキリとシフーのサインが入っています。

 

道具職人マキリの仕事