010:ボロボロ泣きながら。

 甲状腺がん 発覚編 010:ボロボロ泣きながら。

 

2017年3月27日(月) 入院前日 

 

明日から入院、明後日に手術という状況でも、トキは出社しました。頸にできた痛くも痒くもないしこり以外に自覚症状は全くありません。しかし、さすがに午後は入院の準備に時間を当てさせてもらいました。パジャマ他、いわゆるお泊りセットを購入しました。そして、トキは何となく古本屋で、

 

『ホーキング、宇宙を語る』 を手に取りました。読んで理解出来るとは思いませんでしたが、 

 

「宇宙からすれば、僕のがんなんて、とてつもなくちっぽけなものだ」 と思いたかったのです。入院中のお守りにするべく、そのまま購入しました。 

 

夕方からは一人でカラオケに行きました。明後日から、高い声が出なくなる、もう一生、歌えなくなる。これが本当に最後なのです。高校時代からバンドやカラオケで歌ってきた曲、歌ってみたかった曲を 

 

ボロボロ泣きながら歌いまくりました。 

 

誰に聴かせるわけでもなく、ただただ、自分のために二度とない時間を一人で過ごしました。人生最後の歌唱は高校時代にバンドで歌った

 

Guns N’ RosesPatience

 

奇しくも『がん』という響きを持つバンドの『辛抱』と言う名の曲でありました。

 

トキが高校時代から大好きだったバンドです。今年1月に念願であったライブに行けたのも何かの縁だったのでしょうか?『冥途の土産』?いやいや、『一生の思い出』にして長生きしなくてはなりません。トキは歌えたという証に、その歌声をスマホで録画しました。そして、心の中で叫びました。

  

さらば、僕の歌声よ!今まで本当に有難う!